about BRUNO MUNARI - DESIGN

 
グラフィックデザイン
ムナーリのフォーク
ムナーリの数多い本の中でも大好きな一冊です。
ふううのフォークを「手」に見たて、色々ハンドサインをさせた一種の絵本。わたしたちの身の回りにあるあたりまえの物から「驚き」や「遊び」がデザインできるという好例。
輸入デザイン書籍のお店などで取り扱っていますが、現在版元はイタリアのコッライーニhttps://www.corraini.com/(004)
ムナーリとカリグラフィー
ムナーリは日本に何度か訪れていますし、日本の事物に深い興味をもっていたようです。また、カリグラフィー(習字)や漢字のような表意文字にもたびたび触 れ、いくつもの作品を残しています。とくにムナーリは「木」という字がお気に入りだったようですね。(028)
ムナーリのグラフィックワーク(1)
ムナーリのデザインというと立体(工業)デザインと絵本の印象が強いのですが、ムナーリはグラフィックデザイナーとして多くの仕事を残しています。おそら く工業デザイナーとしてより、グラフィックデザイナーとしての仕事の方が多かったのではないでしょうか?
紹介している画像は1935年(ムナーリ26歳?)の雑誌「L'ALA D'ITALIA」(イタリアの翼)表紙のデザインです。(035)
ムナーリのグラフィックワーク(2)
しばらくぶりにムナーリのデザインした雑誌カバーなど。「文学(Lettura)」という雑誌の表紙デザインを継続して手がけています(写真は1937年4月号)。
号によって写真のコラージュやイラストなど手法を使い分けています。固定したスタイルにとどまらないムナーリらしいデザインですが、時代(戦前)を感じさせる雰囲気もあります。(101)
ムナーリのグラフィックワーク(3)
戦前のムナーリは特にグラフィックデザインの仕事が多かったようで、雑誌や本の装丁、イラストなどの仕事が多数残っています。これもその中の一つ、「La Rivista(「雑誌」という意味!)」の雑誌のカバーイラストです。
その他の号についてもムナーリが手がけていたようですが、気になるのは明らかに戦前のイタリアの政治的な色調(当時はムッソリーニ政権下)が見て取れるこ とです。柔らかいタッチの風景ですが中央に見えるのはイタリア国旗を掲げた潜水艦。日本で言えば「FRONT」のような雑誌だったのかも?(108)
ムナーリのSF?
めずらしい本を発見しました(といって入手したわけではないですが)。60年代にムナーリが挿絵を描いたという「月面の男たち」(原題:Uomini sulla luna)というソノラマシート付き絵本があったそうです。
この本は企画も挿絵もムナーリがやったそうで、「ビル・ベンチューラ(なんだかイタリア系アメリカ人のような名前)」というヒーローが活躍するみたいです。(040)
ムナーリと童話
ブルーノ・ムナーリはグラフィックデザインの分野でも活躍していますが、ムナーリ自身の興味でもある子供に関わる本のデザインにもいろいろな仕事がありま した。とくにジャンニ・ロダーリ(1920-1980)はイタリアの子供たちがだれでも一度は読むというくらい「定番」な、子供のための物語の作家です が、彼の代表的な童話集のいくつかについてムナーリが表紙を手がけています。ご紹介しているのは「間違いの本(il libro degli errori)」の表紙。困ったネコの顔がかわいいですね。(044)
ムナーリのジャケットデザイン
ムナーリがジャケットのデザインをしたレコードがあるそうです。1955年、Arthur Rubinstein演奏による「ショパン・ノクターン」(紹介している画像のレコード)がそれです。
ほかにもブラームスのレコードなどデザインしている由。もっともジャケットのデザインと演奏には関係はないのですが、グラフィックデザイナーとしてのムナーリの仕事のひとつ、ということでしょうか。(066)
ムナーリのグラフィックワーク(4)
ムナーリが生まれ、生きたイタリア・ミラノはロンバルディア州に属しています(州というのは、だいたい日本の都道府県にあたる行政区域でしょうか)。
このロンバルディア州のシンボルデザイン(1974年に制定)にムナーリが関わっていたそうです。実際のデザインをした、のではなく企画段階でのさまざま な助言が彼の仕事だったようですが、できあがったシンボル(画像左端の丸い十字のようなマーク)は今もあちこちで活用されています。(120)
ゼロックス(ゼログラフィア)
ゼロックスは商標ですが、海外だと「コピー(コピー機とかコピーするとか)」の代名詞です。コピーというのは「同じものを複写する」ためのものですが、ムナーリは「一枚ずつ違うゼロックス」というワークショップを考え出しました。 コピー機の上に複写する画像を置いて、スイッチを押したら機械が動くと同時にオリジナルの画像を自由に動かす、それだけのことで世界に一枚しかない「コピー」が出来ます。 役に立つ、立たないよりも大切な何かがこのアイディアに隠れていませんか・・・?(050)
ムナーリのアルファベット
ムナーリはグラフィックデザインの仕事を多く残していますが、文字についてもいろいろな実験?をしています。以前ご紹介した「木」のカリグラフィー(習 字)もある意味では文字のデザインですが、そのものずばりアルファベットのフォント(書体)のデザインもしています。その他にもアルファベットをテーマに した本をいくつか作っています。(112)
カンパリ
ムナーリのタイポグラフィー(文字を使ったデザイン)の代表的な作品のひとつとしてあちこちに紹介されているのが、「カンパリ」のロゴをモチーフにしたコ ラージュです。1964年の仕事ということですが、「カンパリ」というのは「カンパリソーダ」で有名なイタリアのリキュールですね。
タイポグラフィーではありませんが、ムナーリがオスラムという国際的な電球メーカーのために光をテーマにしたブックレットを作ったりもしています (1990年・非売品)。ムナーリのセンスを企業PRに活かすというのは、しゃれているなあ、と思うのですが。(115)
ムナーリのサイン(1)
ムナーリは文字のデザインというか、文字をモチーフにしたいろいろな遊び/作品を作っていますが、その中でも自分の名前をモチーフにした作品がいくつかあ ります。ご紹介しているものもそのひとつで、「BRUNO」という綴りをデザイン化しています。(136)
ムナーリのサイン(2)
ムナーリが自分の名前をモチーフにして文字のデザインを遊んだ代表的なもののひとつです。「MUNARI」をグラフィック化しているわけですね。(137)
知られざる人々の読めない文字
ムナーリは文字やカリグラフィー(習字)に強い興味をもち、特に東洋の書からインスピレーションを得て様々な作品を作っています。1984年の「知られざ る人々の読めない文字(scrittura illeggibile di un popolo sconosciuto)」もそういった作品の一つといって良いでしょう。ムナーリらしいな、と思うのは作品がグラフィックワークのようにも、タイポグラ フィーのようにも、カリグラフィーのようにも、版画のようにも見える、一種の軽やかさがあるところでしょうか。復活したダネーゼで販売されています。
ダネーゼのサイトはこちら(イタリア語・英語)https://www.danesemilano.com/(183)
火星人だ!
1966年の作品だそうですが、「火星人だ!」というものがあるそうです。ご紹介している1カットしか資料が見つからなかったのですが、どうやら本(絵 本)ではなくグラフィックワークのようですね。スケッチとコラージュによる作品ということです。
ムナーリは「未来派」だけあって、SFも好きだったのではないかと思います。(197)
ムナーリとレーニン(グラフィックワーク-5)
意外な組み合わせと言うべきか、仕事だからなのか時代の反映なのか、ムナーリがレーニンの著書「国家と革命」のカバーデザインを手がけています(1970年の仕事)。
ムナーリの政治的信条については詳しいことは分かりませんが、前衛芸術と社会主義(思想としての)の距離がきわめて近かった時代背景を考えると少なくともコミュニズムに対するシンパシーは感じていたかもしれません。
もっとも、温厚な性格で知られるムナーリのことですから(このへんはエンツォ・マリとは正反対か)きっと政治的な意図でこのデザインを手がけたわけではないと思います。(173)

プロダクトデザイン・空間デザイン
ダネーゼの灰皿
ブルーノ・ムナーリは工業デザイナーでもあります。 デザイナーとしてのムナーリは意外なほどシンプルで合理的なデザインを残していますが、ただ合理的なだけでなく、やはりムナーリでなければ思いつかなかっ ただろうというセンスが感じられます。
イタリアのダネーゼ社の為にデザインした灰皿(cubo)はまさにその典型。ダネーゼはすぐれたデザイングッズを世に送り出した後、企業として活動を止め ていましたが、近年アルテミデ社のエルネスト・ジスモンディによってブランドが復活しました。ムナーリの灰皿も再生産されて日本でも手に入れることが出来 ます(ちなみにムナーリはタバコを吸わなかったそうです)。(007)
ダネーゼ
イタリアの「伝説的な」企業・ダネーゼとムナーリの関係は有名です。ダネーゼの前オーナー、ブルーノ・ダネーゼ(こちらもブルーノさんですね)とムナーリ の出会いについてはいろいろなところで語られているので詳しくは紹介しませんが、ダネーゼにとって特にムナーリとエンツォ・マリという二人のデザイナーは 特別な存在でした。
現在ダネーゼのブランドは十数年ぶりに復活、絶版になっていた過去のプロダクトも再生産されています。
日本での取り扱いはクワノ・トレーディングなど。 https://www.kuwano-trading.com/(030)
ムナーリのゴミバコ
今年も今日でおしまい、大掃除の季節です。ムナーリがダネーゼのためにデザインしたゴミバコがありました。「シチリア」と名付けられた六角形のシンプル な、外側が鏡面仕上げで周囲を鏡のように映すゴミバコです。アルテミデ資本による新生ダネーゼでも復刻しています。(121)
ムナーリのトレイ
ムナーリが1960年にダネーゼから出した「モルディブ」という名前のトレイ(プロダクト/オブジェ)です。一枚の金属板に切れ目を入れ、軽く折り曲げる だけでトレイになるというシンプルなデザインですが、ニューヨーク近代美術館をはじめ各国のミュージアムにも収蔵されたとのこと。日本の折り紙にも似てい ます。
ちなみにムナーリはダネーゼのためにデザインしたプロダクトの多くにいろいろな場所(町)の名前を付けているようです。(142)
ムナーリの文房具
1958年にデザインした「Canarie」(カナリア諸島?)という、ペン立てとクリップトレイと灰皿のデスクセットです。アルミとメラミン樹脂の キューブを基調とした、ムナーリのプロダクトの代表作といっても良いダネーゼ社の灰皿のバリエーションという雰囲気です。(163)
モワレのスタンド
1967年にデザインされたプロダクトです。「portaritratti」(写真立て)ということですが、メッシュの円盤が重なり合うことで生まれるモ ワレがデザインのポイントですから、写真を立てるとせっかくのモワレが見えなくなるのでは?もしかすると写真をメッシュ越しに見るのでしょうか。それとも 真ん中の穴から...?当時ダネーゼから発売されましたが、現在の新生ダネーゼでは復刻していないようです。(194)
小さなおさるのジジ
1950年にムナーリが作ったおさるの人形です。からだの中に針金が入っているので、色々なポーズを作ってその状態にしておけるようになっているぬいぐるみ(からだはラバー製)、というかんじでしょうか。
このおさるのジジ、プロダクトデザインとして、イタリアのグッドデザイン賞にあたる「黄金のコンパス賞」を受賞しています。賞を選ぶ側にもセンスがあったのでしょうか。(010)
猫のメオ・ロメオ
ムナーリが「お猿のジジ」という人形をデザインして「黄金のコンパス賞」を受けていることはすでにご紹介したかと思いますが、同じような構造の「猫のメオ・ロメオ」という人形もあります。
タイヤで有名なピレッリ社から1953年に発表され、翌1954年の「黄金のコンパス賞」を受賞。ちなみにジジの方は復刻されていますが猫のメオ・ロメオの方は復刻の話を聞きません。残念。(076)
ムナーリのワニ
ムナーリは「おさるのジジ」や「ネコのメオ・ロメオ」などいくつか人形をデザインしていますが、ワニもデザインしていたことが判明しました!プロトタイプ のみだったようですが、スポンジのピンクのワニです・・・。詳細は不明。こどものワークショップのためのデザインかもしれません。(048)
ムナーリの照明器具(1)
ムナーリのデザインした照明器具としては最も有名なものではないでしょうか。ストッキングのよう伸縮性の布をセードにして、間に付けられたリングの重さで 全体が伸びて竹のようなシルエットを作ります。現在も製品として購入可能です。(016)
ムナーリの照明器具(2)
1958年にムナーリがデザインした照明器具「cubica(キュービック)」です。ムナーリのデザインには照明器具に限らず立方体を基本としたフォルム がよく登場します。想像するに、ムナーリはデザイナーとしては特に合理的なアプローチを信条としていましたから、無駄のないシンプルなフォルムを追求して いく過程で立方体が多く生まれたのではないでしょうか。分解組み立て・梱包までよく考えられていることが見て取れます。製品はダネーゼから発売され、現在 も復刻品があるようです。(098)
ムナーリの照明器具(3)
ムナーリが1959年に作った「六角形の照明器具(Lampada esagonale)」(限定生産)です。写真で見るかぎり、金属板を大小の六角形にしてランプシェードにしているようですが、これも分解組み立てが出来 そうな雰囲気です。ムナーリのプロダクト(特に照明器具)では分解・組み立て・変形といった要素についてよく考えられたものが多いように思います。そうい えば、調べた限りでは照明器具がムナーリの手がけた唯一の「電気製品」かも?(113)
ムナーリの照明器具
ムナーリが1978年にデザインした照明器具です。三枚のプラスチックシートが三本の脚(シートをはめる溝が両側に付いています)にはめ込まれて完成す る、シンプルな円筒形の照明器具です。見方にょっては日本の行灯に似ていると言えるかもしれません。(134)
ムナーリの椅子
「思いっきり短時間の来客のための椅子」という長い名前の椅子です。座面がものすごい角度で前傾しているのでほとんど座れないところがミソで、要するに座 る間もない位短時間の来客用(早く帰れ。ということ?)というユーモア(アイロニー)たっぷりのデザインです。
ザノッタというイタリアの名門デザイン家具メーカーから1945年に発売されました。10年ほど前にこの会社の工場を見学したときショールームにあったの が強く印象に残っています。ちなみに現在もザノッタ社のウェブサイトに紹介されていますが、もしかして今でも生産しているのでしょうか?(032)
ムナーリのベッド「Abitacolo」
1971年にムナーリがデザインしたベッド、というかシステム家具です。鋼線を格子状にくんだパネルを組み合わせて家具にするという、今ではおなじみのユ ニット家具のはしりですね。パネルの組み替えでいろいろなバリエーションが可能だそうです。ムナーリは「子供たちのためのベッド&勉強スペース」として考 えたようです。(037)
ムナーリの本棚
ムナーリが1979年にデザインしたメタルの吊り下げ式本棚です。「ムナーリデザイン」といわれなければほとんどそれとはわかりません。合理的なデザイン ですが、なんだか今時のホームセンターで売っていそうです。個性的な仕事と、アノニマスなデザインを両方ともにこなすにはどんな工夫があったのでしょう か・・・。(058)
ムナーリのワゴンテーブル
ムナーリが1972年にデザインしたワゴンテーブル(Biplano Cubo)です。テーブル面のパネルとフレームは分解してコンパクトにできる構造になっています。シンプルなデザインで、いまでも全くデザインの古さが感 じられないですね。まさに「単純にすることはむずかしい」という好例です。(053)
ムナーリのソファ
ムナーリが1985年にデザインしたソファ「Divanetta」です。「Abitacolo」(1970年)というメタルフレームのベッドとテーブルが 合体したような家具を作ったRobots社(イタリア)というメーカーから発売されました。ホームページはこち ら:https://www.robots.it/ ただしサイトを見る限り、現在は「Divanetta」も「Abitacolo」も生産されていないよ うです。(190)
Ora X(時計)
1945年から1963年にかけてダネーゼ社で生産していたムナーリの時計「Ora X」です。時針に色の付いた透明な半円のパネルが付いていることで、折々の時間ごとに短針と長針のパネルの色の重なり合いが変化します。この時計をムナー リは「multiplo」(マルティプル)という、アート作品の複製化と考えていたようです。(126)
ムナーリの氷入れ
ムナーリが1954年にデザインした氷入れ「TMT」です。名前の由来は?ですがZani & Zaniというイタリアのキッチンメーカーから発売されました。半世紀前のデザインとは思えないモダンさを感じます。(144)
ムナーリのスウォッチ
一時ほどではありませんが、今なお人気の根強いスウォッチ。ムナーリがデザインしたモデル「フリータイム」です。1994年から97年にかけて製造されていたようです。
「時計の文字盤から数字を開放した」本当にシンプルなアイディアなのですが、ムナーリらしいデザインという気がします。(024)
ムナーリのめがね
ムナーリが50年代に作った(デザインした)めがね(サングラス?)です。プロダクトではありませんが、一枚のシートから出来ており、大量生産が可能です。
実際ミラノで大学生を対象にしたイベントの際、大量に作って学生たちにかけさせたという話があります。エスキモーのサングラスに似ています。(049)
ムナーリのジュエリー
「星座のジュエリー」と題したオブジェ?です。金属の小さな円盤にいくつかの異なる大きさの穴が星座の形に開けられています。片面はつや消しの仕上げに なっていて裏表の区別が付き、円盤を光にかざしたとき表面の反射を防ぐようになっています。「輝く”穴”のあるジュエリー」とは不思議な仕掛けです。 (158)
ムナーリの教育玩具
こどものためのおもちゃ、というか教育玩具というか、グリッド状に溝がほどこされたパネルに小さなカードをはめていくことで、自由に迷路を造って遊べると いうものです。なんだか展示会のパネルブースみたいに見えるのは職業病でしょうか・・・。パーテーションになるカードにはいろいろな模様が印刷されている ので、組み合わせによって石垣になったり家になったりします。1973年にダネーゼから発売されました。(052)
絵本/フトン?
ムナーリの絵本作りの発想は、いわゆる二次元の本を作る感覚とは全く異なるところから始まっていると思います。ムナーリの本(絵本)を数多く復刻・出版し ているコッライーニ社のマルツィアさんも「ムナーリは印刷物としての本をデザインしていると言うより、伝えるべき内容に合わせた素材を選んで絵本を作っ た」ということを言っていましたが、ご紹介している「本/フトン」(libro letto)もまさにアイディアが素材を選んだ好例だと思います。
これは「絵本」(縁の部分にテキストが印刷されています)ですが、きれいな色地の布でくるまれたクッションのようなもので、広げたり畳んだり組み立てたり、本として「読む」以外にも「立体おもちゃ」として遊べるようになっています。
「libro letto」(イタリア語)は直訳すると「本/フトン」ですが、「読んだ本」という掛詞にもなっているようです。(123)
FLEXI
ムナーリが1968年に発表したオブジェです。6本の弾力のある金属の細線の端端をゴムのチューブで固定することで、いくつもの幾何?形態を作って遊ぶこ とが出来るおもちゃのような、アートワークのような、不思議なものです。バックミンスター・フラーの考えた立体構造も連想させます。(103)
ムナーリの空間デザイン
イタリア・ミラノにはデザインミュージアムがあり、第二次世界戦後の復興期から世界各国のデザインを集めた企画展「トリエンナーレ」(三年ごとに開催され る展示会の意味)が開催されていました。柳宗理、渡辺力といった日本のデザイナーが世界に知られるようになったのもこの展示会(1957年)がきっかけに なっていますが、ムナーリが1968年・第14回のトリエンナーレで展示空間のデザインをしてます。テーマは"Struttura abitabile globale"(グローバルに生活できる空間/構造)ということですが、写真を見る限りどこまでがムナーリのデザインなのか、ちょっとわかりにくいのが 残念です。(149)
ムナーリの噴水(1)
ムナーリは絵本やアートワーク、プロダクト(工業製品)デザインだけでなく空間に関わるデザインの分野でもいろいろな仕事をしました。ご紹介しているのは 1952年のベネツィア(ベニス)・ビエンナーレ(国際的に重要な現代美術のイベント)のためにムナーリがデザインした噴水です。残念ながら現存はしてい ないようですが、ムナーリの立体構成のセンスが建築のスケールで表現されていると思います。(154)
ムナーリの噴水(2)
ムナーリのデザインしたもうひとつの噴水です。1961年、ミラノ市内にある見本市会場前に設置されたようですが、仮設だったのでしょう、やはり現存はし ていません。ちょうど水車を横に倒したような形で、大きな輪の中には小さな二つの輪がありそれぞれ独立して回る仕掛けのようです。実際に動いている様子は どんなだったのでしょう。(155)
ムナーリのオブジェ?
「ショウウィンドウデコレーターのためのツール」と名付けられたこのオブジェ、見ての通り一種のスイスナイフみたいな合体工具です。ムナーリのデザイン? ではなく、ムナーリが「気づかれていないグッドデザイン」というテーマで集めた道具の一つのようですね。日本でもかつて同じような意図で柳宗理がアノニマ ス・デザインの道具というコレクションを提示しています。(157)